金曜日, 10月 30, 2009

「中国にも紹介したい」とのコメント

 前回の続き。
 質問してきた方は、やはり日本の会社に勤務する中国人だった。S25R方式を導入したのは、国内にあるメールサーバ。
 確かに中国では逆引きの設定が広まっていないので、中国からのメールを受信するのにホワイトリスト登録が必要になることはあるとのこと。しかし、中国でもスパムの被害は深刻なので、友人にもS25R方式を勧めたいとおっしゃっていた。
 逆引きの設定が広まっていない中国では、グレイリスティングの方が良いかもしれない。ただ、「初めてメールを送ってくるホストにはわざと一時拒否応答を返す」というグレイリスティングのコンセプトよりも、「逆引き名がサーバっぽいならば許可する。そうでないメールサーバはホワイトリストで許可する」というS25R方式のコンセプトの方が理解しやすいかもしれない。S25R方式を試してから「よく考えてみたら、グレイリスティングでいいじゃないか」と気付く人がいれば、それはそれでよいと思う。

火曜日, 10月 27, 2009

サブミッションポートでの送信を許可する設定

 中国人と思われる方から質問をいただいた。メールの本文は簡体中国語の文字セットで書かれた日本語。S25R方式を導入したら、ぷらら(plala.or.jp)からの送信ができないので、解決策を教えてほしいとのこと。
 示されたエラーメッセージからわかったのは、S25Rに引っかかるぷららのエンドユーザー回線から、S25R方式を導入したメールサーバへ、ポート587で送信しようとしたらしいということだった。つまり、サブミッションポートでの送信である。
 以下の太字の指定を追加するよう助言した。

smtpd_client_restrictions =
  permit_mynetworks,
  permit_sasl_authenticated,
  check_client_access regexp:/etc/postfix/white_list,
  check_client_access regexp:/etc/postfix/rejections

 これで解決したとの返事をいただいた。この設定を私自身で検証してはいなかったのだが、助言が当たってよかった。

 メールはhotmailから送られてきていたので、この人の所属は不明だったが、示されたエラーメッセージにあった宛先ドメインから、対中国のビジネスをサポートする日本の会社に勤務する人らしいと推測した。中国では逆引きの設定があまり普及していないらしいので、日本国内の会社でも中国とのやり取りが多いと、S25R方式は使いにくくはないだろうか。
 もっとも、逆引きできないホストのホワイトリスト登録がいくら大変でも、スパムの被害に手をこまねいているよりはましだと評価されているかもしれない。
 もし感想を言ってくれたらまた紹介しようと思う。

木曜日, 10月 15, 2009

48時間続いたスパムアクセス

 次のようなスパムアクセスがあった。

Oct 11 19:29:39 unknown [81.255.105.209] from=<paypal@60299.com> to=<deo@gabacho-net.jp> helo=<messagerie.CHG-AJ.local>
Oct 11 19:30:52 〃
Oct 11 19:32:04 〃

Oct 13 19:01:28 〃
Oct 13 19:16:41 〃
Oct 13 19:32:09 〃

 初めは約1分間隔、その後約15分間隔になって、48時間でようやく止まった。
 6月13日に、送信者アドレス<paypal@50305.com>で、PayPalをかたったフィッシング詐欺のスパムがmail.leadershipaa.org [71.248.112.64]から着信していた。今回も、送信者アドレスのユーザーIDが同じで、サイトドメイン名が数字5桁であることが共通で、HELOアドレスがまともでないことから、スパムに違いないと判断して放置してみたのである。
 前回のmail.leadershipaa.orgは、SMTPアクセスしてみたらWindowsサーバであることがわかった。ボットにやられたのかもしれない。今回の[81.255.105.209]は、挙動はメールサーバのものだが、SMTPアクセスに応答しなかった。スパム送信用サーバだったのかもしれない。
 なお、このような場合、リトライアクセスがうざったいと思って、論文に示しているrejectionsファイルに

/^81\.255\.105\.209$/ REJECT

と追記することによって応答コード「554」で蹴飛ばそうとしても、うまくいかない。Postfixは、まずFQDNで正規表現ファイルをサーチし、次にIPアドレスの十進表記でサーチするので、逆引き結果の名前「unknown」が先にマッチして「450」を返してしまうのである。
 逆引きできないホストを「554」で蹴飛ばそうと思ったら、rejectionsファイルの前にもう一つの拒否条件ファイルを指定してそこに拒否条件を書く必要がある。あるいは、rejectionsファイルの前に指定されているwhite_listファイルの中に臨時に拒否条件を書いてもよい。