日曜日, 9月 13, 2009

ホワイトリストへの先回り登録は必要か?

 8月29日の講演の時、参加者から「S25Rに引っかかるサーバ事業者がたくさんあるので、調査してホワイトリストに登録した方がよい」というコメントをいただいた。その時は「コメントありがとうございます」と答えたのだが、その後考えてみた。
 公開ホワイトリストが充実すればするほど、それを取り込んだサイトでは偽陽性判定の頻度を下げることができる。最近、大規模サイトの協力者が現れたおかげで、登録件数は700件ほどになっているが、S25Rに引っかかる未登録のメールサーバはもちろんまだまだ多いだろう。私か協力者が発見したホストを登録するだけでなく、サーバに連番入りの逆引き名を付けているサーバ事業者を探し出してホワイトリストに先回り登録しておけば、偽陽性判定をさらに避けることができる。
 しかし、私がそこまで手間をかけるべきだろうか。私の個人サイトでは偽陽性判定はめったに起こらない。大規模サイトの協力者からホワイトリスト情報が寄せられる頻度も減ってきたことから、協力者のサイトでも偽陽性判定の頻度が減っていると思われる。おそらく、S25R方式を採用しているサイトのほとんどでは、偽陽性判定の頻度は低くなっているであろう。だから、私がホワイトリストへの先回り登録をしなくても誰も困っていないということである。そして、私がそれをしても、偽陽性判定の確率をゼロにすることは不可能である。どのみち、偽陽性判定の監視あるいは自動救済が不要になることはないのである。
 それに、サーバを含むIPアドレス帯が、サーバ事業者が管理するサーバ群なのか、ユーザーに割り当てられた固定IPアドレスの回線なのかを区別することは難しい。固定IPアドレスだからといって一律にホワイトリスト登録するとそこからスパムが来ることもわかっている。
 やってもやらなくても同じことなら、やる必要はない。それに、「スパムを許可してしまうホワイトリスト」として信用を失うくらいなら、やらない方がよい。今までどおり、私が偽陽性判定を発見したか協力者から情報が寄せられた時に登録するつもりである。
 ちなみに、「申告されたホワイトリスト情報を受理する基準はあるのですか」という質問が掲示板に寄せられたことがある。「申告があればすべて載せています」が回答である。メールか掲示板による、私とのコミュニケーションを通じて寄せられたホワイトリスト情報はすべて信用するというのが私のポリシーである。CGIによる自動受付は考えていない。ホワイトリスト情報の申告に人とのコミュニケーションを介する必要がなくなれば、不正な情報を入力する奴は当然現れると予想されるからである。

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