土曜日, 7月 19, 2008

OptPlusの返金はない?

 Opt Plus ASPは「スパムを1通でも受けたら返金します」と豪語しているが、返金には条件がある。返金プログラム申請フォームの「利用条件の確認」欄に次のように書いてあり、すべての条件に適合することを利用者が誓約しなければならない。

□バウンシングバック機能はONにしていました
□ホワイトリストに登録されていないメールアドレスからのスパム(迷惑)メールを受信しました
□該当のメールはペンディングリストからインポートしたものはありません
□利用中のメールアドレスは、他のメールアドレス(エクステンションアドレスを含む)から転送もしくは設定していません
□同一のメールサーバもしくは同一ドメインからのメールではありません

 受けたスパムの送信者アドレスがホワイトリストに登録されているアドレスだったら、返金の条件からはずれる。このことから、知人のアドレスや、自分が受信しているメールマガジンのアドレスを送信者アドレスにかたったスパム(2007年5月27日「バウンシングバック認証の破り方」参照)を受けても返金してもらえないことがわかる。
 また、バウンシングバック認証にかけないように登録した別アドレスであるエクスパンションアドレス(上記の申請フォームではエクステンションアドレスと書いてあるが、同じ意味だろう)に宛てられたスパムも、返金の条件からはずれる。だから、メーリングリストにエクスパンションアドレスで参加したらアドレスが漏洩してスパムを受けたという場合(6月6日「メーリングリストはOptPlusの鬼門」参照)も返金されない。オンラインショッピングの確認メールをバウンシングバック認証にかけないようにエクスパンションアドレスを登録したら、そのオンラインショッピングのサーバが侵害されてアドレスが盗まれ、スパムを受けたという場合(実際、私の息子はそういう被害を受けている)も同様である。

 では、ホワイトリストに登録されていなかったアドレスからのスパムに対してバウンシングバック認証要求メールが返され、スパマーがまともに認証手続きをした場合、あるいは、送信者アドレスが実在の他人のものであり、アドレスをかたられてバウンシングバック認証要求メールを受けた人が認証手続きをした場合はどうか。これは「ホワイトリストに登録されていないメールアドレスからのスパムメールを受信しました」の条件が満たされ、他のすべての条件も適合するならば、返金の対象になるように思える。
 ところが、6月8日「バウンシングバック認証はタブーの技術」にコメントしてくださったPyTaさんは、この場合も返金の対象にならないのではないかと指摘しておられる。なぜなら、認証手続きが行われた時点でその送信者アドレスはホワイトリスト登録されるので、「ホワイトリストに登録されていないメールアドレスからのスパムメールを受信しました」の条件が満たされなくなるというのである。確かに理屈は通っている。
 PyTaさんいわく、OptPlusはホワイトリスト登録されたアドレスからしかメールを受けないシステム。だから、「ホワイトリスト登録されていないアドレスからスパムを受けた」という条件は成立し得ない。もしその条件が成立するなら、システムの根幹が壊れているということだから、請求すべきは返金でなく解約である――と。
 本当のところはどうなのかは、ベンダーに問い合わせてみなければわからない。しかし、PyTaさんは、ただ質問するだけでも住所や会社名が必須だというのでやめたとのこと。そこまで個人情報を明かさないと質問に応じてもらえないなら、私も問い合わせる気はない。
 Opt Plus ASPのサービスを買いたい人は(このブログを読んでもなおそう思う人はいないことを祈るが)、「スパマー自身またはアドレスをかたられた人が認証手続きをしたためにスパムが受信された時には返金されるのか」をベンダーに確認した方がよいだろう。

(OptPlusとバウンシングバック認証方式に関するすべての記事へのリンクはこちらの記事にあります。)

(続編)
エクスパンションアドレスを設定していたら返金なし

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